【孤独死の現場】におい・死臭を消臭する特殊清掃

孤独死の現場のにおいとは死臭そのものであり、事故現場などに立ち会う機会の多い警察関係者でも慣れないうちはかなりの精神的ショックを受けることになります。孤独死の現場に特殊清掃が必要な理由は、部屋に漂う死臭を消し去る、遺体の腐敗によって発生したウジやハエ、ゴキブリなどの害虫を駆除するといった内容があります。

もちろん現場の程度によっては、家屋のリフォームまで必要な事態もありますが、今回は特殊清掃における「におい」の根絶についてご説明致します。

特殊清掃が必要な現場での悪臭とは

特殊清掃が必要な現場での悪臭とは、遺体から発生した血液や体液、腐敗臭などが主な原因となります。

悪臭の定義は人それぞれの感覚に左右されるものですが、恐らく現場のにおいは、通常の生活では考えられないような臭気を持っています。季節や部屋の温度・湿気などの環境にもよりますが、夏場などご遺体が痛みやすい時期は、お亡くなりになってから2日ほどで遺体の腐敗が始まり、尋常ではないにおいを周囲に漂わせます。

微生物と害虫が、におい発生の引き金に

人体は生命を維持している間であれば免疫力はたらくため、細菌が繁殖することは基本的にありませんが、ご遺体に関してはウイルスが際限なく増殖し続けます。

また、ウイルスのような微生物と同時に、ウジなどの害虫発生によって遺体のタンパク質は徐々に分解されていき、それに伴って体液が体の外に漏れていきます。流れ出た体液は床一面に付着、広がっていくことで遺体現場の独特なにおいを周囲に漂わせることになります。

このようなウイルスや害虫はにおいの発生源のみにとどまらず、感染症をはじめ衛生面でのリスクを高めることにもつながります。

遺体現場での消臭はどうすれば?特殊清掃でなければ作業ができない理由

遺体現場で発生するにおいは、通常のハウスクリーニングや消臭剤の使用だけで抑制することはまず不可能です。これは先述した、腐敗に伴う強烈なにおいを発する体液などがカーペットやフローリング、畳に広がり、また壁紙のクロスにも強烈なにおいが染みわたるためです。

そのため特殊清掃では、業務用の消毒剤・消臭剤を散布したうえで現場を一旦沈静化させ、それでも対処が困難な場合は、オゾン脱臭機などの専用の機器を用いて処置をおこないます。

家屋の基礎部分からリフォームが必要な場合も

また、ご遺体の発見まで時間が経過すると、床下などの家屋の基礎部分や壁紙の下の石膏ボードなどの部材にまでにおいが浸透するケースもあります。

このような状況まで発展している場合は、プロの薬剤や機材を用いてもにおいを抑制しきれないことがあります。そこで床材や壁紙などの貼り替え、さらに家屋の基礎部分を新たな部材に交換するなどの対応が必要ですが、特殊清掃とリフォームを一貫して対応できる業者でなければなかなかスムーズに作業を完了させることが難しくなります。

プロの専門業者だけにできる特殊清掃

上記のように遺体現場での特殊清掃は、物理的な強烈な臭気だけでなく、細菌による感染症から身を守るために、専用の防護服やマスク等で防護して作業を実施する必要があります。

身体を防護できる装備があれば実施できるとお考えになる方もいらっしゃいますが、現場は当然においだけではなく、見るに堪えない凄惨さを極めていることもあります。冒頭でもお伝えした通り、事件現場に立ち会うことのある警察官でも初めて孤独死の現場に足を踏み入れると、数日はショックから立ち直れなく、中には嘔吐してしまう方もいらっしゃいます。

このような状況で、部屋のすみずみから壁・床下まで、もれなく消臭・消毒・殺虫作業を行うには相当な経験と忍耐力が欠かせません。つまり、プロの特殊清掃業者は、技術やノウハウだけでなく、精神面を含めた教育や訓練を経てから現場作業を積み重ねることが求められます。

特殊清掃前の注意点

そもそもですが、遺体現場時には室内に立ち入ってあれこれ現場を荒らしてはいけません。

まずは警察に通報を行い、現場検証を経て立ち入り許可が出てから、室内の処置を行うことが必須となります。この際に気を付けたい点は、強烈な臭気を逃がすために換気扇を回したり、部屋の窓を開けないことです。これを行うと、近隣に遺体現場の強烈なにおいが蔓延するとともに、ウイルスも拡散され、室内で発生した害虫も屋外に大量発生してしまいます。

まずは司法による事件性の有無の確認を経てから、現場に手を加えるといった流れが必要であることを覚えておきましょう。

ただ、当事者の立場になってみると、「一体何をどうすれば良いのか」とパニックになることが実情です。落ち着くこともままならない状況になると思いますが、お困りの際には弊社までお問い合わせください。24時間お電話にての受け付けが可能です。